職員室の裏側

教員歴12年になるひらしぃです。現役高校教員が色々な記録をしていきます

【LHRネタ】作文を書く【※重要です!】

運動会や遠足、

修学旅行や文化祭など、

大きな学校行事のあとは

必ず作文を書く時間を作るべきです。

 

また、

学校行事でなくても、

「あなたの今年の漢字

「あなたの今年一番のニュース」

「残りの学校生活の目標」

など、

 

ネタは何だっていいのです。

 

作文をすると

彼らがこの先いきていく上で

重要な能力を伸ばすことができるからです。

 

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 計算能力や論理的な思考力、英語能力などと比べ

あまり重要視されない文章能力ですが、

これはとても重要な力です。

 

例えば、

就職活動においては

作文や小論文、

あるいは履歴書やエントリーシートにおいて

自己紹介や志望動機などの文章を

書く機会があります。

 

他にも

面接では自分のことについて

自分の言葉で表現しなくては

なりませんし、

社会に出た後も

多くの人たちとコミュニケーションをとるのに、

瞬時に言語化する能力が必要となります。

 

これらの根源となるのが、

学校で書く作文です。

 

ともすると、

高校生ともなると

あまり文章を書く機会は

ないかもしれません。

 

でもだからこそ、

彼らの将来のため、

定期的に文章を書く機会を

作ってあげることが

大切になります

(LINEでの文章は能力向上はしません)。

 

さらに理想を言うなら

プレゼンまでできるようになると

完璧です。

 

私は担任を持つと、

他のクラスよりもたくさん作文を書く機会を

設けます(生徒には嫌がられますが^^;)。

 

でも慣れてくると、

自分の言葉で表現することに

生徒たちは快感を覚えるようになります(本当です)。

 

 

だから、

もし時間が取れるなら、

彼らにたくさんの書く時間を与えてあげましょう。

 

それは必ず

彼らの人生にとって

かけがえなのない能力となっていくでしょう。

 

 

 

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【職員室の闇】教員いじめはなぜ起きるのか

少し前に話題になった

教員同士のいじめ問題

 

 

一時期、

新聞やニュースで

「教員同士のいじめ」

というセンセーショナルで

とてもショッキングなフレーズが

毎日のように取り沙汰されていました。

 

 

 

職員室でいじめはどうして起きるのか?

 

 

 

今日はそんな教員間のいじめについて

お話ししたいと思います。

 

 

 

 

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まずどんな時にいじめが発生しやすいか、

私の個人的な考えを述べると、

 

①閉鎖的な空間で長時間一緒にいる 

 

②被害者あるいは加害者に何らかの個性がある

 

③加害者と被害者に力(立場)の差がある

 

 

この3つの条件が重なった時、

いじめは起きやすくなります

(必ず起きるわけではありません)。

 

残念なことに

教員の世界は非常に閉鎖的で、

一人一人が個性的で、

立場上の差が出やすい環境なのです。

 

さらに悪いことに

長いこと学校の先生だけをやっていると、

「自分はえらい」と

勘違いをしてしまう先生も、

一部では出てきてしまうのです。

 

そうなると困ったもので、

自分の意にそぐわないものを

敵視してしまう人もいて、

いじめやパワハラ、セクハラの

土壌ができてしまいます。

 

 

ただ、誤解をしてはならないのは

教員に限らず

大人同士のいじめ(パワハラやセクハラ等含む)は

社会でたくさん存在しているということです。

 

「学校の先生」と言ってしまうから

インパクトがあるだけで、

教員に限らず大人同士のいじめを無くす、

という切り口で考えないといけない問題です。

 

 

それではいじめを無くすには

どうしたらいいかと言うと、

職員の意識を変えることや

罰則を重くすることなども

重要かもしれませんが、

最も重要なのは

環境を変えることであると思います。

 

まず、

職員室はものすごく閉鎖的で、

毎日登校している生徒ですら

先生たちが職員室で何をしているのか

わからない状況です。

 

生徒の個人情報管理の問題はあるものの、

そんなものは金庫にでもぶち込み、

職員室の扉を取っ払ってしまっても

いいのではないかと私は思います。

 

 また、

学校の運営を教員だけで行うのではなく、

地域の方々にも関わっていただき

(これをコミュニティスクールと言います)、

開かれた学校を目指すべきだと考えます。

 

これにより、

学校の先生以外の視点が

学校に入り込み、

生徒の人間力形成に生きていきます。

 

ただこれらを行うには

先見力がありチャレンジ精神旺盛な

管理職(校長先生や教頭先生)の

協力が不可欠です。

 

それでは個人では何もできないかと言うと

そうではありませんのでご安心を。

 

個人で環境を変える方法として、

「学校以外のコミュニティに

積極的に関わる」

と言う方法があります。

 

ボランティアでもスポーツでも、

文化的なサークルでも何でもいいです。

 

とにかく学校以外に居場所を作ってみましょう。

そして色々な人たちと関わってみましょう。

 

そうするといかに自分の学校現場が

閉鎖的で現実と隔離しているかが

実感できます。

 

さらに、

自宅と職場以外の

第3の居場所を作ることによって

他のことも好転していきます。

 

居場所が2つしかないと、

そのどちらかで何かアクシデントが発生した場合、

精神的に大打撃です。

 

ここで第3の居場所があると、

精神的負担も相対的に減り、

結果的に物事が好転しやすくなります。

 

異業種交流について、

こちらの記事にもまとめていますので

よろしければぜひご覧になってください。

 

avantech.hatenadiary.com

  

 

子供達のいじめを無くしていくには、

まず大人たちがその見本を見せることが

不可欠です。

 

そのためにも

子供達が

「あんな大人になりたい」

と思えるような

大人になることが重要なのでしょう。

 

 

 

 

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【教師は会議が多い】職員会議の謎【何を話している?】

学校の世界は会議が多いです。

気がつけば毎日のように

会議や打ち合わせが入っています。

 

会議のせいで他の仕事や

直接生徒を指導する時間も減ってしまうので、

これは改善しなくてはならない

学校の大きな問題であると思います。

 

 

なぜそんなに教員は会議をやるのか、

今日はその理由についてお話しします。

 

 

 

 

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学校の世界は

職員室内での縦割り組織が非常に多いです。

 

例えば「学年」、

「教科」、

「校務分掌」、

「委員会」、

「部活動」、

などなど。

 

それぞれの分野できっちりと役割分担をしています。

だから教員一人当たりでいくつもの役割を持つことになります。

 

 

わかりやすくするために、

ここにN先生と言う人がいたとしましょう。

 

N先生は「1年生の担任」で

教科は「数学担当」、

校務分掌は「生徒指導部」に所属し、

部活動は「卓球部」を指導、

そして「学検委員」に入っています。

 

 

この時点でN先生は5つの役割を

持っていることになります。

 

 ここでN先生の役割について

解説していきます。

 

 

・学年会

まず担任ですので、

学年の打ち合わせが定期的にあります。

 

学年の打ち合わせは学校によりますが、

月2、3回程度から、

多いところだと

毎日打ち合わせをやっています

 

各学級の足並みを揃えたり、

少しでもクラスで不安なことがあれば

学年会で話し合われます。

 

たとえベテランの先生でも、

クラスの担任をしていると、

他クラスとのずれや、

生徒たちの声に気づかないことがあるのです。

 

そういった不安部分の解消のため、

学年担当者間の連携は非常に重要です。

 

また、

学年行事は修学旅行などの

ビッグイベントの他にも、

学年集会や外部講師からの講和、

細かい部分だと朝学習や放課後課外、

学級活動(ホームルームなどのクラス内での活動)など

様々な活動があるので

全てを担任一人で把握するのは

至難の業です。

 

だから学年会は

何か抜け落ちている部分はないかを確認して、

学年がスムーズに活動できるためには

必要不可欠なものなのです。

 

 

・教科会

N先生は数学担当なので

数学担当者会が定期的にあります。

 

例えばクラス間での進捗に差がないか、

また指導における問題点はないか、

プリント等の教材は適したものか、

資格検定に対する指導計画、

進学課外等の補習の計画、

教科における出張の分担

(各教科とも研修や資格検定、教科部会などの

出張が定期的にあるのです)

などなど。

 

話し合われる内容は盛りだくさんです。

 

各教科の教員は複数名いるはずなので、

定期的に情報共有をしなくてはなりません。

 

 

・校務分掌

学校の活動がスムーズに進むために、

各教員は校務分掌と呼ばれる校内組織の

各部署に配属されます

 

例えばN先生は生徒指導部なので、

生徒の生活に関する指導が主な仕事になります。

 

また、生徒指導部は別名「校内の警察」と呼ばれ、

問題行動などがないかを調べたり、

警察と連携して交通安全や犯罪に関する指導や講和、

最近だと携帯電話の使用に関する指導なども行なっています。

 

 

近所のお祭りがあればパトロールをしたり、

放置自転車が見つかれば回収しに行ったり、

原付免許を持った生徒には一緒に免許センターに行ったり、

万引きや窃盗などがあったらそのお店に出向いたり、

その仕事は学校を飛び越えて行われています。

 

当然、これらの活動には入念な打ち合わせが必要です。

だから必然的に会議の回数も増えていきます。

 

 

・部活動

各部活動とも、

今は複数の顧問が付くことになっています。

 

そうなると顧問同士での打ち合わせも

必要不可欠になります。

 

年間計画、月間計画はその都度確認する必要がありますし、

試合があれば組み合わせなどを決める

顧問会議にも出席しなければなりません。

 

また、全国大会やプロの試合などの補助委員として

生徒を連れて参加しなくてはいけないこともあります。

 

また校内や校外での練習計画、

他校との練習試合の計画などは

他の部活との兼ね合いもあるので

(例えば体育館は様々な部活が使うため)

顧問同士の情報共有は

かなりきめ細かくする必要があります。

 

さらに練習に使う道具を用意したり、

またバスなど交通手段の手配や

部費の管理など、

顧問は技術指導以外の部分で

考えなければならないことが

山のようにあるのです。

 

N先生は卓球部の顧問ですので、

卓球台やネット、ボールなどの用具の整備、

高体連主催の大会の係分担のほか、

都道府県や市町村主体の卓球連盟主催の

卓球大会などにも関係していくことになるのです。

 

 

・各種委員会

 校務分掌は年間を通して活動をしていますが、

それ以外の部分で単発で仕事が発生する部分は

委員会という形で組織が存在します。

 

例えば

保健指導委員

進路委員、

制服検討委員、

校務分掌検討委員

内規検討委員

PTA委員などなど

多種多様な委員会があり、

定期的に会議を開いているのです。

 

例えばN先生の所属する

学検委員では、

高校入試に関わる仕事を担当します。

 

当然ですが、

高校入試で手抜かりがあったりすると

大変なことになるので、

学検委員の教員が日々入念な打ち合わせの元、

全教員が一丸となって取り組みます。

 

 

 

他にも、

学校行事があれば

担当組織を中心として、

全教員に役割分担され

それぞれ打ち合わせを重ねながら

実施されることになります。

 

だから、

教員の世界はどうしても

会議だらけになってしまうのです。

 

ただ、

最初にも申し上げた通り、

この膨大な時間を費やす会議が、

生徒に対するきめ細やかな指導を

妨害しているのも事実ですので、

全ての仕事を全教員で分担するのではなく、

例えば

教科指導専門の教員、

生徒対応専門の教員、

校務分掌専門の教員など、

もっと大きな枠組みで

教員の仕事を分担するべき時が

きているのではないかと思うこの頃です。

 

 

 

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子供が勉強を好きになる!親の習慣5選 【自発的な学びとは】

突然ですが、

 

あなたは何かを学ぶことは好きですか?

 

 

 

ちなみに私は大好きです。

知らなかったこと、出来なかったことが

理解できて自分の能力になることって

とても素敵なことだと思います。

 

ところが学校に通い始めると、

だんだん子供達が学ぶことが嫌いになってしまう、

そんな話を以前しました。

 

avantech.hatenadiary.com

 

こちらの記事では

学校のシステムに問題があることを

言及してみました。

 

学校で興味のないことを

「強制的にやらされている」

これでは勉強を嫌いになって

当然かと思います。

 

 

「学校のシステムに問題があるなら、

一般人にはどうしようもないじゃん。

子供が勉強嫌いになるのは仕方ないんだね。」

 

 

とんでもない、

そんなことはないんです!

 

実は私たち大人、

特に親の習慣一つで

子供達に勉強のモチベーションを

あげさせることは可能なんですよ!

 

 

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今日は私の教員経験で気がついた、

子供が勉強を好きになる親の習慣を5つ紹介します。

 

 

その1 クイズ

 

1つ目は親子でクイズを出しあうことです。

 

子供とクイズを出しあうとわかりますが、

子供は回答者より出題者になりたがります。

 

なぜかというと、

子供は新しく知った知識を自慢して、

大人から褒められたいのです。

 

この性質を逆手にとって、

子供をクイズの出題者役をやらせ、

親が悩んでいる姿を見せると、

ますますやる気になって

色々なクイズを考え出すようになります。

 

こうなったら占めたもので、

新しい知識を取り入れることに

子供は非常にクラバーになります。

 

 

その2 しりとり

 

私の知る限り、

しりとりの得意な子供は

学習意欲が旺盛です。

 

しりとりのいいところは、

いつでもどこでも

子供も大人も平等に楽しめるところです。

 

子供が大人としりとりをすると、

知らない言葉が出てきます。

 

ここで、

いとも自然に知らない言葉を

学習することができるのです。

 

注意点としては

大人がムキになって子供を打ち負かさないこと。

勝てないと知ると、

子供はもうしりとりをしてくれなくなります。

 

子供としりとりをするときは、

たまに難しい言葉を使い、

そしていい勝負をして、

ギリギリのところで負けて花を持たせてあげる、

そんな接待しりとりを心がけましょう。

 

 

その3 読書

 

親が読書をする家庭で育った子供は

かなり高い確率で読書好きになります。

本を読むのが習慣になっています。

 

逆に親が本を読まないのに、

子供にばかり本を読めと言ったって、

子供は反発するでしょう。

 

オススメは親が子供と一緒に

本を読む時間を作ること、

そしてお互いに読んだ本の感想を

教え合うことです。

 

親が楽しそうに読んだ本の感想を伝えると、

子供もその本に興味を持つようになります。

 

あなたは子供の前で読書をしていますか?

 

子供の前でスマホをいじるのはやめ、

読書の習慣をつけるようにしてみましょう。

スマホをいじってる姿ばかり見せて

子供が勉強を好きになることはまずありません)

 

 

その4 ニュース

 子供の前でニュースは観ていますか?

世の中でどんなことが起きているのか、

誰でも簡単に知ることができます。

 

小さい子供がニュースに興味を持つことは

難しいかもしれません。

 

しかし、

親が子供の前で興味深くニュースを観ること、

そして夫婦でそのことについて会話することで

子供もその話を知りたいと思うようになります。

 

子供の大好きな両親が難しい話をしている、

でも自分も会話に加わりたい!

と子供は思うのです。

 

子供によっては

ニュースキャスターのマネをし出したりするでしょう。

 

そうしたら興味深く子供キャスターの話を聞いてあげてください。

そして褒めてあげましょう。

そうするとますますニュースに興味を持つ子供になります。

 

 

その5 ゲーム

 意外に思う方もいるかもしれませんが、

ゲームによって学習意欲を向上させたり、

良い影響を与えることが可能です。

 

今の時代、

テレビをつければゲームの楽しそうなCMが

次々に流れ、

電車に乗れば大人も子供もスマホのゲームに夢中。

子供達がゲームをやりたがるようになるのは当たり前で、

これを無理やり押さえつけても

悪影響になる場合があります。

 

ならばいっそ、

親と子供のコミュニケーションの手段にしてしまい、

一緒にゲームを楽しみましょう。

 

子供はゲームを好きになると、

自分でゲームを作ってみたいと言い出します。

 

こうなれば占めたもの。

一緒にゲームを作ってみましょう。

 

スマホゲームならcodesparkやスクラッチJr.がオススメです。

どちらも未就学児でも簡単にプログラミングを学びながら

ゲームを作ることができます。

 

また、タブレットやPCの環境があれば、

絶対にスクラッチはやっておいたほうがいいと思います。

(こんなのが無料でできてしまうなんて、

本当に凄い時代です!)

Scratch Studio - オンラインゲームスタジオ

 

 

余談ですが、

3Dのゲームなどは緻密に

座標を計算して作られています。

よく高校生が

三角関数や行列ベクトルや微分積分

なんの役に立つのかわからない」

と言ってたりしますが、

「君たちの使っているアプリを開発するためには

そういう知識が必要なんだよ」

と教えてあげましょう。

 

何はともあれ、

ゲームに興味を持つということは

勉強に興味を持たせる絶好のチャンスです。

 

子供がゲームをやっている時間は親の休憩時間、

と思うのではなく、

一緒にゲームを楽しんで、

そして一緒にゲームを作って行けば

論理的思考やプログラム的な考え方が身につきますので

ぜひこのチャンスを生かすようにしましょう。

 

ちなみにあの林修先生も1日1時間であれば

ゲームをしても成績は落ちないとおっしゃっています。

大切なのはルールをしっかり決めることだとも言えるでしょう。 

 

 

 

 

最後に、

全てに共通しているのが、

子供と親のコミュニケーションです。

 

ゲームやらせて放置、

読書させて放置、

ニュースつけて放置、

では子供の成長は難しいでしょう。

 

大切なのは、

親が子供に興味を持って、

一緒に活動することです。

 

この基本を忘れなければ

きっと勉強に興味を持った

素敵な子供に育つでしょう。

 

 

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【進路指導の闇】進学か就職かそれとも・・・

あなたが高校時代、

先生に

「進学と就職、どっちにするんだ?」

と聞かれたことはありませんでしたか?

 

私の知る限りでは、

多くの高校の教員は

生徒に進路を訪ねる際に、

「就職する?進学する?」

といった聞き方をします。

 

しかしこの聞き方では、

まるで高校卒業後は

就職か進学しなくてはならないように

言われているような気がします。

 

実はこの指導って

教師も知らず知らずに加担している、

恐るべき日本の闇なのです。

 

 

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 9月は高校生の就職採用試験が解禁となり、

今年も多くの教え子たちが内定をもらって

一安心しているところです。

 

しかしながら、

今まで私が見てきた生徒の中には、

必ずしも進学や就職をしない子もいました。

 

例えば

人間国宝を目指すと言って、

愛知県にいるある職人さんのところに

弟子入りに行った子、

プロボクサーを目指すと言って、

ボクシングの道を選んだ子もいました。

最近だとyoutuberとして活躍していた

教え子もいました。

 

私たち教員が進路指導をする際、

「進学」か「就職」どっちにする?

という聞き方をすることが非常に多いです。

 

私たちは長い間、

各自の個性よりも

上下関係や挨拶・返事、

我慢することや教科書(マニュアル)を

暗記することで存在を認められるような

教育を受けてきました。

それが「悪」とは言いませんが、

果たして今の時代にマッチしているかと言えば

疑問があると言わざるをえないでしょう。

 

戦後から日本の高度成長にかけては

前述したような教育がむしろ望ましかったのかもしれません。

しかしいつしか時代も代わり、

令和の現代においては「大企業に入れば安心」とは

言えないのではないでしょうか?

 

「良い大学に行って、良い会社にいくのが良い人生」

という幻想はもはや古典の世界の話です。

 

一歩外の世界に踏み込んでみると、

今の時代、起業したりフリーランスとして働いている方も

かなり増えていることに気づかされます。

 

↓の記事でも書きましたが、

私はなるべく教員以外の方とも交流を

深めるようにしています。

 

avantech.hatenadiary.com

  

 

 

しかし多くの教員は学校の世界しか知らないので、

教育の出口であるはずの進路に対する知識が

あまりにも乏しいのです。

 

頑張っている先生方はたくさんいますが、

残念ながら社会に対する知識や経験が圧倒的に不足しています。

 

生徒には進路指導の一環として

インターンシップなどのキャリア教育が

推進されていますが、

こういった機会が必要なのはむしろ

教員の方なのかもしれません。

 

教員が外の世界を知り、

そして夢を持つことによって

それが子供達の夢を育むことにつながれば

これからの教育はきっと、

もっともっと明るく

ワクワクしたものになるでしょう。

 

 

 

 

 

 

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【何してる?】教師の夏休み【先生も休める?】

今日のお題は

多分多くの人がいまだに謎に思っていることを

取り上げたいと思います。

 

最近は流石に減ってきましたが、

夏になると、

「先生って夏休みがあっていいね!」

と言われることがあります。

 

実際、

生徒がいない学校で

先生たちが何をしているのか、

非常にわかりずらいと思います。

 

果たして私たち教員は、

夏休みをゆっくりと満喫できるのでしょうか?

 

今日は教師の夏休みについて

取り上げていきます。

 

 

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1.部活動

これはご存知のことと思いますが、

夏休みはほとんどの部活が

毎日休みなく活動しています。

 

夏休みは普段に比べて

集中的に練習ができるため、

ここでの頑張りが先の試合の結果を

左右します。

 

ですから

多くの部活が

夏休みこそ休まず活動することになります。

 

しかしやはり夏は

熱中症のリスクも上がるため、

部活動の顧問は注意深く

生徒たちの活動を見る必要があります。

 

昔のように

生徒だけで活動させて

顧問は職員室にいる、

なんてことは今の時代は

リスクが高すぎてできません。

 

そして

夏休みのようにたくさん時間の取れるうちに、

合宿や遠征、練習試合等を多くこなす傾向があります。

夏季大会なんかもありますしね。

 

だからほとんどの場合、

ほぼ毎日部活動をやっています。

 

 

2.課外授業

多くの学校では

夏休みだからと言って

全く授業をやらないということはありません。

 

特に進学校になりますと、

ほぼ毎日のように

進学課外と言う名の補習が行われています。

学校によっては

通常の日課よりみっちりと授業が行われることも

少なくありません。

 

進学校の知人に聞いた話だと、

0時限目(8:00)から8時限目(17:00)まで

課外を行なっているそうです。

はっきり言って

夏休みの方が大変ですね^^;

 

ちなみに私は工業高校ですが、

もちろん課外は存在しています。

進学者向けと言うよりも、

テストの点数が悪かった生徒や

資格試験の受験生に向けた指導が多いですね。

 

校種にもよりますが、

多くの学校では夏休みも生徒が来て

課外授業をやっているようです。

 

 

3.進路指導

3年生にとって、

夏休みは自分の進路を決定する

非常に重要な時期です。

この期間に自分の進路と

どれだけ向き合えたかで、

その後の人生は変わってきます。

 

進路指導は主に、

進路相談、履歴書指導、面接指導などがあります。

特に進路担当者や3学年の担任は

毎日のように生徒に進路指導を行なっています。

時には企業の方や保護者が訪問してくることもあります。

 

私の学校では

全教員で分担して3年生の面接指導に当たります。

 

進路指導は

学校の出口指導として、

最も重要な仕事の一つです。

 

 

4.インターンシップ

これは学校にもよりますが、

私の受け持った学校では

夏休みの時期にインターンシップ

実施するところが多いです。

 

インターンシップ

生徒への事前指導や事後指導の他に、

企業との打ち合わせや

実際にしっかりと実習が行われているかを

確認するために巡回をしたりします。

 

だからインターンシップが近づくと、

その業務につきっきりになることも

しばしばです。

 

生徒にとっては

初めての社会経験だったりするので

これもまた重要な仕事の一つです。

 

 

5.研修

夏休みになると、

研修と言う名の出張が増えます。

特に教員初任者になると、

夏休み中に泊りがけの合宿形式での

研修が存在します。

 

また、

初任者だけでなく

2年次研修、3年次研修、5年次研修、10年次研修、

主任研修、生徒指導研修・・・

などなど非常に多くの研修が存在します。

 

他にも最新のテクノロジーを学ぶために

企業に赴いての研修もあります。

私も自費で東京で研修を受けたことがあります。

私たちの知識も時が立つにつれて

どんどん古いものになっていきます。

だからこういった研修は必要なものですが、

様々な種類があるので

結構大変です^^;

 

 

6.文化祭や修学旅行の準備

夏休み明けの学校行事の準備もこの時期に進めます。

学校が始まると

まとまった時間を取るのが難しいため、

この時期にいかに進めておくかが鍵になります。

 

だからクラスによって登校日を設けるなどして、

グループ分けや催し物などの話し合いを

進めることがあります。

 

ちなみに私は今年は

文化祭でのクラスの催し物のVRの勉強をするため、

生徒をつれて企業にお邪魔しました。

こういったことが出来るのも

夏休みの間ですので、

計画的に進めていく必要があります。

 

 

7.授業の準備

 新学期になると非常に慌ただしく、

なかなか授業の準備に時間を当てるのが

難しくなります。

 

夏休みの間になるべく授業の貯金を作っておくこと、

これも大切な我々の仕事です。

 

 

 

8.その他

他には資格試験の実施や指導、企業訪問や学校訪問、

研究授業(論文を書くこともある)、

家庭訪問、生徒指導(生徒を呼んで話をしたりすることがあります)、

お祭り等の巡回、職員会議・・・

 

などなど

色々とやることがあるのが現状です。

 

残念ながら、

夏休みだからと言って

ゆっくりはできないのです・・・

 

まあしかし、

通常の日課と比較して、

生徒一人一人と向き合う時間は

取りやすいです。

だからこの期間を利用して

生徒との信頼関係を作るためにも、

夏休みは私たち教員にとって、

非常に重要な時間と言えるでしょう。

 

その後の授業や生徒との関係性が変わってしまう、

大事な夏休み。

この時間を有効に使う事で

教師力を高めるのが一番大事な事なのかもしれません。

 

 

 

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【道徳ネタ】「勉強は必要か」を考える【LHR】

突然ですが、

勉強は必要だと思いますか?

 

 

 

私が道徳の授業を持つと

必ずやるネタです。

 

 

私の経験上、

大部分の高校生は勉強が嫌いです。

高校教員として非常に残念な現実です^^;

 

小さい頃はみんな勉強が好きだったはずなのに・・・

 

 

 

 

しかし

「勉強は必要か?」

という問いに対しては

面白いことに肯定的な意見が多いのです。

 

 

一体これはどういうことでしょう?

 

 

生徒たちに勉強の大切さを気づかせ、

さらに勉強はやっておいたほうがいいな!

と思わせることができる、

そんな道徳授業の方法を今日はご紹介します。

 

 

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勉強について考えさせる授業の

流れを説明します。

 

 

1.ワークシートの配布

まずはワークシートを配布します。

(ワークシートは こちらからダウンロードできます

お好きなように加工して

ご使用してもらって構いません。

 

 

2.【発問】Q1「あなたにとって勉強はどんなものですか」

生徒たちに「勉強」とは何か、

を改めて考えさせます。

少し時間をとって書かせたら、

生徒に発表してもらいましょう。

色々な意見が出て面白いです^^

 

 

 

3.【発問】Q2「あなたは勉強が好きですか」

これも少し時間をとって考えさせましょう。

ワークシートには百分率の数直線があります。

最大値を100%として何%くらい好きかを

考えさせます。

私の経験では平均的に

20〜30%くらいになりますが、

生徒のキャラクターによっては0%だったり、

100%だったり個性が出てきて

とても面白いです。

 

これも発表させると結構盛り上がります。

 

 

 

4.【発問】Q3「あなたは勉強が必要だと思いますか」

Q2の発問と似ていますが、

必要かどうかを問われると、

多くの生徒は悩みます。

なんてったって、

今まで学校でやってきたことに

意味があるのかという問いですからね。

これも数直線で表します。

 

生徒の多くは必要な勉強と

不必要な勉強があるという

意見を述べると思います。

こうなると本当に面白いです。

一体必要な勉強と不必要な勉強の違いは

なんなのか、

なんのために勉強をしているのか

生徒達に改めて考えさせることができます

 

私が今までこの授業をやってきた中では、

意外と勉強は必要という意見が多かったです。

社会で必要だから、

人間の能力を平等に評価できるから、

人から信頼を得るのに最低限の教養は

必要だから、

など

結構生徒も考えているんだなあと思わされます。

 

この質問でも重要なのは、

生徒達に発言させることです。

この授業に絶対的な答えはありません。

勉強には様々な側面があり、

どれが重要でどれが重要で無いというのは

評価できません。

 

もちろんこれを読んでいるあなたも

勉強は全てが重要とは思っていないはず。

 

大切なのは

「なぜ自分は今勉強しているのか」

「なぜ社会に出たら今の経験が生きるのか」

というのを生徒達に考えさせることです。

ですからたくさんの生徒に発表させて、

色々な答えがあっていいんです。

 

 

5.【発問】「あなたはこれからどんなことを学びたいですか」

発問は授業の流れで変更して構いません。

「あなたがこれから学ぶ理由はなんですか」

「これから学んでいく上で目標はなんですか」

など、

その生徒達に合った発問をあなたが考えて

臨機応変に質問をしてみましょう。

 

たった一つの質問が

生徒のやる気を大きく変えることが

あるんです。

 

ワークシート記入後には

時間に余裕があれば

発表させるようにしましょう。

 

そして最後にはあなたの意見も

生徒に話してみてください。

きっとそこには生徒たちに気づきを

与えてあげられることでしょう。

 

(ちなみに私の場合は

「勉強を頑張ったら大学で女の子と一緒に図書館で勉強するようになって

彼女ができた」という話をしたりします。だいたい盛り上がります笑)

 でも何でもいいんです。

あ、勉強ってこういう時に役に立ったりするんだなあ、と

少しでも思わせたらこの授業の意味は大いにあります。

 

 

 6.今日の授業のまとめ Q5

最後に、

今日の授業で思ったことや感じたこと、

自分の意見などをまとめさせましょう。

きっと授業前とは違った考えを持った

生徒も多いことでしょう。

「振り返り」はどんな授業でも大切です。

 

 

以上、

私が毎年行う「勉強」について考える授業、

いかがだったでしょうか。

 

なかなか言語化するのは難しいものですね。

本当は学習指導案があればもっといいのでしょうけど・・・

今度時間ある時作ってみます^^;

 

ワークシートにはあえて

発問は記入していません。

理由はその生徒達に合った

質問はそのクラスによって異なるからです。

ですので、

授業を進めながら質問の内容は

変えていっていいのです。

大切なのは生徒達に

じっくりと勉強について考えさせること、

そして自分の意見を発表させ、

人それぞれ様々な意見が

あることを教えてあげることです。

 

社会に出ると正解の無い問題が

たくさん降りかかってきます。

こういう題材は良い訓練にもなるので

ぜひ使ってみてください。

 

 

 

 

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