職員室の裏側

教員歴12年になるひらしぃです。現役高校教員が色々な記録をしていきます

【生徒はお客様?】生徒・保護者が神様では無い理由【先生はサービス業?】

保護者から学校への注文、

どこまで聞いてあげれば

いいのでしょう? 

 

まあ私の周りでは

あまり聞きませんが、

教員に対してたくさんの

注文をつけてくる保護者がいるのは

事実です。

 

「成績表を子供に渡すのではなく

自宅に送ってくれ」

 

「数学は〇〇先生では無い人にしてくれ」

 

「子供が起きれないから

モーニングコールしてくれ」

 

などなど、

自分の都合しか考えないような

要求をされることがあるようです。

 

もちろんそれは極一部の例であり、

大半の保護者はもっと常識的で

協力的な対応をしてくれますが、

中にはモンスターペアレント(?)

のような人もいないわけではありません。

 

学校や教員に非がある場合、

クレームは甘んじて受け入れ、

今後の改善に繋げなくては行けません。

 

しかし、

自分勝手なクレームは

仕事の妨害に他ならず、

悪しきお客様意識が

大人に根付いている

と感じることがあります。

 

そもそも私たちにとって

生徒や保護者は

お客様なのでしょうか?

 

この辺を今日は

考えてみたいと思います。

 

 

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教員にとってお客さんとは

誰なのか?

 

一度この話題で

友人と議論になったことがあります。

 

 

友人が言います。

 

「生徒に対してサービスを行なっているわけだから

先生にとって生徒が顧客とも言えるんじゃないか。」

 

なるほど、

しかしどうしても

生徒=顧客

というのは私にはしっくりときません。

 

確かに見方によっては

教室という場

授業というコンテンツ

生徒に提供している以上、

これは生徒に対して

サービスを行なっているように

見えます。

 

しかし、

それに対して生徒たちが

お金を支払っているわけではありませんし、

私たち教員も生徒をお客様として

扱っているわけではありません。

 

ではお金を払っている

保護者はどうでしょうか?

 

確かに保護者なら

税金というサービス料を

政府や自治体に支払っています。

 

しかしこれも、

義務教育は元々

授業料はありませんし、

高校も就学支援金制度により、

世帯年収910万円の家庭は

大きな補助が得られています。

 

私には生徒や保護者が

お客さんというのは

どうしてもしっくりきません。

 

しかしどんな仕事にも

必ずお客さんは存在するもの。

 

じゃあ私たち教員のお客さんとは

誰なのだろう?

 

 

それからじっくり考え込んだ

私に浮かんできたのは

地域の人たちでした。

 

 私たち教員は地方公務員であり、

地域の方達の税金でお給料をいただいています

 

だから

私たちにとって

地域の人たちがお客さんになりそうです。

 

でも、

私たちが地域の人たちに提供している

商品って何なのだろう?

 

もしかして、

生徒?

 

 

そう、

驚くことに

私の考えをまとめると、

 

お客さん=地域の人たち

 

商品=生徒

 

と考えるとしっくりくるのです。

 

誤解して欲しくないのは

私は生徒を「商品だ、道具だ」

と言いたいのでは決してありません。

 

ただ間違い無いのは

子供達を社会に出てからも

生きていけるように育てていく、

そんな人間を作っていくことが

私たち教員の大きな使命であり、

役割なのです。

 

自動車のトヨタをはじめとして

ものづくりの会社では

「ものづくりは人づくり」

という格言があります。

 

ものづくりを真摯に

全力で行なっていくことによって

人間というのは作られていくのだそうです。

 

私たち教員の仕事は

学校生活を通して人づくりをしていくこと。

 

ただ、

この人づくりという仕事には

正解はありません。

 

教科書や学習指導要領といった、

マニュアルのようなものはありますが、

これに従っているだけでは

量産型ロボット人間を作るだけです。

 

残念ながらこれからの時代、

量産型では生きていくのが

大変な時代になってきています。

 

これからは

一人一人が違う個性を生かす、

得意同士を組み合わせながら

新しい価値を作り出していく時代です。

 

こんなめまぐるしい時代に

私たち教員はどう生徒と向き合って

行けばいいのでしょうか?

 

実は正解に近いことが

新学習指導要領にはあります。

 

それがスローガンのようになっている、

「主体的で対話的で深い学び」

です。

 

これを学校全体で実践し続ければ、

生徒それぞれの個性を伸ばすことができ、

社会で生きていくための力が

育まれていきます。

 

ただ残念ながら、

では具体的に何をすればいいのかまでは

学習指導要領では言及していません。

 

私たち教員が考えなくてはならないのです。

 

そう、

私たち自身が考えて実践していくのです。

 

今の教員の仕事は、

正解のない混迷と

だからこそ自分で考えて

チャレンジし続けるバイタリティが必要な

非常に大変でやりがいのある時代が到来しているのです。
 

 

そんな時代に

私たちが何をしていけばいいのか、

私も色々と実践しながら

情報発信を続けていきたいと思います。

 

 

 

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