職員室の裏側

教員歴12年になるひらしぃです。現役高校教員が色々な記録をしていきます

【教師は会議が多い】職員会議の謎【何を話している?】

学校の世界は会議が多いです。

気がつけば毎日のように

会議や打ち合わせが入っています。

 

会議のせいで他の仕事や

直接生徒を指導する時間も減ってしまうので、

これは改善しなくてはならない

学校の大きな問題であると思います。

 

 

なぜそんなに教員は会議をやるのか、

今日はその理由についてお話しします。

 

 

 

 

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学校の世界は

職員室内での縦割り組織が非常に多いです。

 

例えば「学年」、

「教科」、

「校務分掌」、

「委員会」、

「部活動」、

などなど。

 

それぞれの分野できっちりと役割分担をしています。

だから教員一人当たりでいくつもの役割を持つことになります。

 

 

わかりやすくするために、

ここにN先生と言う人がいたとしましょう。

 

N先生は「1年生の担任」で

教科は「数学担当」、

校務分掌は「生徒指導部」に所属し、

部活動は「卓球部」を指導、

そして「学検委員」に入っています。

 

 

この時点でN先生は5つの役割を

持っていることになります。

 

 ここでN先生の役割について

解説していきます。

 

 

・学年会

まず担任ですので、

学年の打ち合わせが定期的にあります。

 

学年の打ち合わせは学校によりますが、

月2、3回程度から、

多いところだと

毎日打ち合わせをやっています

 

各学級の足並みを揃えたり、

少しでもクラスで不安なことがあれば

学年会で話し合われます。

 

たとえベテランの先生でも、

クラスの担任をしていると、

他クラスとのずれや、

生徒たちの声に気づかないことがあるのです。

 

そういった不安部分の解消のため、

学年担当者間の連携は非常に重要です。

 

また、

学年行事は修学旅行などの

ビッグイベントの他にも、

学年集会や外部講師からの講和、

細かい部分だと朝学習や放課後課外、

学級活動(ホームルームなどのクラス内での活動)など

様々な活動があるので

全てを担任一人で把握するのは

至難の業です。

 

だから学年会は

何か抜け落ちている部分はないかを確認して、

学年がスムーズに活動できるためには

必要不可欠なものなのです。

 

 

・教科会

N先生は数学担当なので

数学担当者会が定期的にあります。

 

例えばクラス間での進捗に差がないか、

また指導における問題点はないか、

プリント等の教材は適したものか、

資格検定に対する指導計画、

進学課外等の補習の計画、

教科における出張の分担

(各教科とも研修や資格検定、教科部会などの

出張が定期的にあるのです)

などなど。

 

話し合われる内容は盛りだくさんです。

 

各教科の教員は複数名いるはずなので、

定期的に情報共有をしなくてはなりません。

 

 

・校務分掌

学校の活動がスムーズに進むために、

各教員は校務分掌と呼ばれる校内組織の

各部署に配属されます

 

例えばN先生は生徒指導部なので、

生徒の生活に関する指導が主な仕事になります。

 

また、生徒指導部は別名「校内の警察」と呼ばれ、

問題行動などがないかを調べたり、

警察と連携して交通安全や犯罪に関する指導や講和、

最近だと携帯電話の使用に関する指導なども行なっています。

 

 

近所のお祭りがあればパトロールをしたり、

放置自転車が見つかれば回収しに行ったり、

原付免許を持った生徒には一緒に免許センターに行ったり、

万引きや窃盗などがあったらそのお店に出向いたり、

その仕事は学校を飛び越えて行われています。

 

当然、これらの活動には入念な打ち合わせが必要です。

だから必然的に会議の回数も増えていきます。

 

 

・部活動

各部活動とも、

今は複数の顧問が付くことになっています。

 

そうなると顧問同士での打ち合わせも

必要不可欠になります。

 

年間計画、月間計画はその都度確認する必要がありますし、

試合があれば組み合わせなどを決める

顧問会議にも出席しなければなりません。

 

また、全国大会やプロの試合などの補助委員として

生徒を連れて参加しなくてはいけないこともあります。

 

また校内や校外での練習計画、

他校との練習試合の計画などは

他の部活との兼ね合いもあるので

(例えば体育館は様々な部活が使うため)

顧問同士の情報共有は

かなりきめ細かくする必要があります。

 

さらに練習に使う道具を用意したり、

またバスなど交通手段の手配や

部費の管理など、

顧問は技術指導以外の部分で

考えなければならないことが

山のようにあるのです。

 

N先生は卓球部の顧問ですので、

卓球台やネット、ボールなどの用具の整備、

高体連主催の大会の係分担のほか、

都道府県や市町村主体の卓球連盟主催の

卓球大会などにも関係していくことになるのです。

 

 

・各種委員会

 校務分掌は年間を通して活動をしていますが、

それ以外の部分で単発で仕事が発生する部分は

委員会という形で組織が存在します。

 

例えば

保健指導委員

進路委員、

制服検討委員、

校務分掌検討委員

内規検討委員

PTA委員などなど

多種多様な委員会があり、

定期的に会議を開いているのです。

 

例えばN先生の所属する

学検委員では、

高校入試に関わる仕事を担当します。

 

当然ですが、

高校入試で手抜かりがあったりすると

大変なことになるので、

学検委員の教員が日々入念な打ち合わせの元、

全教員が一丸となって取り組みます。

 

 

 

他にも、

学校行事があれば

担当組織を中心として、

全教員に役割分担され

それぞれ打ち合わせを重ねながら

実施されることになります。

 

だから、

教員の世界はどうしても

会議だらけになってしまうのです。

 

ただ、

最初にも申し上げた通り、

この膨大な時間を費やす会議が、

生徒に対するきめ細やかな指導を

妨害しているのも事実ですので、

全ての仕事を全教員で分担するのではなく、

例えば

教科指導専門の教員、

生徒対応専門の教員、

校務分掌専門の教員など、

もっと大きな枠組みで

教員の仕事を分担するべき時が

きているのではないかと思うこの頃です。

 

 

 

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