【学校の裏側】知られざる教員の仕事 ー後編ー
世間ではあまり知られていない教員の仕事。
今回はその続編をご紹介します。
ーーー前回の記事ーーー
③ 会議
教員はとにかく会議が好きです。
いや、好きでやっているわけではないです、
絶対に減らすべきです・・・
特に各教科の中での打ち合わせや学年でのミーティングは
毎週のように行われます。
これはクラスによって授業の進捗や学級活動に
大きな差が出ないように調整を行うためです。
同じ学校の中でもクラスによって学力やモチベーションに差があるし、
教える教員と生徒の相性などによってクラスの雰囲気はガラッと変わります。
ですので学年内での問題を未然に防ぐ意味でも定期的な学年会議は不可欠になります。
その他にも校務分掌内の打ち合わせ、
部活動顧問会議、
校内の委員会(内規検討委員、校務分掌検討委員、制服検討委員、
学検委員、広報委員などなど、
教員一人当たり1〜2個は校内の委員会に属しています)、
生徒指導会議(生徒指導上の問題が起きた時、その都度会議が開かれます)など、
他にも細かい打ち合わせが存在しますが、
3日に1度は何らかの会議をしています・・・
本当はもっと生徒に寄り添う時間が欲しいところですが、
放課後のかなりの時間を会議に当てざるを得ないのが現状です。
④ 部活
部活は教員でなくてもイメージしやすい仕事ですね。
大部分の教員は部活動の顧問をやることになります。
多くの学校では部活はほぼ毎日行われていて、
教員の仕事の中でもやはり大きな割合を占めていると言えます。
部活動顧問も希望の部活動に就くとは限らず、
自分の専門外の競技を指導している教員も少なくありません。
私も希望の部活動の顧問になるまで10年を要しました。
やったことのない運動部は本当に大変です。
生徒への指導の他にも
大会の引率や運営補助、
他校との練習試合や場合によっては審判まで
しなくてはいけません。
しかも強豪校ともなると
遠征や合宿などもあり、
時間だけでなく資金繰りも大きな負担になります。
プライベートどころか通常業務にも大きな影響があるので、
昨今、部活動の顧問になりたがらない教員が増えているのは
こういった原因があります。
顧問なら休みを増やせばいいじゃないか、
という意見もあるかもしれませんが、
学校によってはOB・OGや保護者の意見が強く、
顧問の独断だけでは
休みにしたくてもできない事情もあるのです。
これは部活の仕事の延長です。
いわゆる公式試合(インターハイ、新人戦など)は
高体連と全国高等学校体育連盟のことで、
原則として公式試合に出場するためには
学校として高体連に加盟する必要があります。
高体連に加盟するには監督および選手を登録し、
登録料を支払う必要があります。
当然この登録料は学校が支払うべきものなのですが、
なぜか自腹で支払わされることもあります。
また、登録校の顧問の中から
複数名役員を定め、
大会の企画や運営、
会場の確保、
各学校への文書連絡、
全国大会や国体、あるいはプロの試合がある場合などは
ボランティアとしてスタッフをしなくてはいけません。
当然他の校務は通常通り行わなくてはならないため、
役員になった教員にはかなり大きな負担がかかることになるのです。
⑥ 同窓会・渉外
基本的に高校には同窓会が存在します。
同窓会は年に一度、総会が行われ
同窓生が参加します。
同窓生にも色々な役員があり、
役員と協力して同窓会の運営や資料の作成を行います。
また、PTAとのやりとりも学校の大切な仕事で、
PTA総会をはじめとして、
PTA役員の会議も概ね月に1度行われています。
PTAを対象とした企業見学や学校見学、研修旅行なども企画され、
一定数の教員がこれに参加することになります。
運営に関わる教員はもちろんのこと、
こういったPTAを対象とした行事に参加するのも
負担は大きいと言わざるを得ないのです。
⑦ 資格や検定、講習会の実施
ほとんどの学校で英検や漢検、数検といったメジャーな検定試験は
実施されていると思います。
他にも最近だとニュース検定というのもよく聞くようになってきました。
実業高校では他にもたくさんの資格を実施しています。
例えば工業高校を例に取ると、
情報技術検定、計算技術検定、基礎製図検定、
機械製図検定、CAD検定、パソコン利用検定、
技能検定、ITパスポート、基本情報技術者試験、
小型車両技能講習、ガス溶接技能講習、高所作業車技能講習、
クレーン技能講習、玉掛け技能講習、品質管理検定、etc・・・
と、かなり多くの資格検定試験を行っています。
試験によって様々ですが、
学校を会場として行うものもあれば、
地域の労働会館や大学等に試験や講習を受けに行くケースもあります。
これらの準備や指導、引率なども私たちの大切な仕事です。
講習によっては学校主導で運営するものもあり、
担当の教員はしっかりと段取りをしなくていはいけないです。
⑧ その他
他にも私たちの仕事としては
生徒宛・保護者宛文書の作成、
インターンシップやデュアルシステム(工業現場実習)の段取りや指導、
シラバスの作成、学校行事の検討と準備、2者面談や3者面談、
実習項目の検討、企業訪問、教室環境の整備、実習の準備、家庭訪問、
学級通信の作成、文科省や県からの調査の実施(集計に時間を要するものが多い・・・)、
細かいところを探すとまだまだ色々とあると思いますが、
思いつくところをざっと表すとこのような感じです。
まあいろいろと頑張っているんです。
それでも仕事のやりがいはかなりあるし、
生徒の成長に日々立ち会えるのは
私たちのモチベーションになっています。
おそらく学校の仕事は
今後ますます仕事は増えていくと考えられます。
社会が一丸となって
学校教育を支えていくことが重要であると私は思います。
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